さいたま市議会には、市政に対する要望などを陳情や請願として文書で提出することができます。陳情は陳情文書表に掲載され、議場での配付をもって、議会に報告されます。陳情が議決されない点は東京都の江東区議会などと相違します。

請願は常任委員会などで審査され、本会議で「採択」「不採択」などが議決されます。採択される割合は低いです。平成30年6月定例会では「さいたま市における同性パートナー等の「パートナーシップの公的認証」に関する請願」が採択されました。採択された請願は、議会が市長などに送付し、その実現を要請します。

請願は市政への要望が基本ですが、国に対して意見書を提出することを求める請願も可能です。これは地方自治法第99条「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる」を根拠としています。平成29年6月定例会では以下の意見書提出を求める請願が審議されました。

「農業者戸別所得補償制度」の復活を求める意見書を国に提出することを求める請願:不採択
組織犯罪防止法改正案を廃案にするよう国へ意見書を提出することを求める請願:取り下げ
専決処分の制度改善の意見書を国に求める請願:不採択

「専決処分の制度改善の意見書を国に求める請願」はタイトルだけでは趣旨が分かりません。これは首長の権限を抑える立場から、地方自治法第179条の専決処分の要件を厳格にすることを求めたものです。「普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」という非常事態以外の規定を削除または改善を求めています。

意見書提出は議員提出議案として出すこともできます。平成30年6月定例会では議員提出議案として以下の意見書を原案可決しました。
「ヘルプマークの更なる普及の促進を求める意見書」
「旧優生保護法に基づく不妊手術を受けた被害者の救済を求める意見書」
「日本年金機構の情報セキュリティ対策の見直しを求める意見書」