「いきなり!ステーキ」の急成長に急ブレーキがかかっています。急激な店舗拡大は自社競合を引き起こしたと指摘されます(「いきなり!ステーキ、急成長の陰に潜む誤算」東洋経済オンライン2018年12月28日)。さいたま市でも2018年5月30日に浦和店、2018年10月31日にイオンモール与野店を開店しています。

私は深刻な問題としてビーフステーキそのものの魅力が立ち塞がると考えます。「いきなり!ステーキ」は高級料理に位置づけられるビーフステーキを手頃に食べられるようにしたという功績があります。しかし、高級料理ということで有り難がっていた向きには、手頃に食べられることが当たり前になったら魅力が減ります。ビーフステーキそのものを食べたいかが問題になります。

「美味しいから食べる」「好きだから食べる」に勝るものはないでしょう。ハンバーガーや唐揚げなどはB級グルメと軽んじられますが、意外と毎日食べても飽きません。ビーフステーキにそこまでの魅力があるかが問われます。ビーフステーキから高級感を奪ったら、どれくらい魅力が残るでしょうか。市場を拡大するならばビーフステーキそのものの愛好家を増やす必要があります。

一方で「いきなり!ステーキ」にはステーキだけが食べたい消費者に余計なものを出さずステーキだけを提供するという消費者本位の美点があります。店舗拡大に利益を追いつけるために客層を広げるよりも、そのような消費者に期待に応え続けて欲しいと感じます。