林田力『ハンバーガー』(Amazon Kindle 2019年6月14日)はハンバーガーのグルメレポート。ハンバーガーはパンに肉や野菜を挟んだ料理である。ふわっとしたバンズにジューシーなお肉が挟まれている。パンの代わりに米で挟むライスバーガーという亜種もある。

ハンバーガーは通常、一個食べれば良いところが魅力である。実は一個だけでは物足りなさが残るが、それが良い。飽食は虚しいだけである。夏目漱石『草枕』には「うまいものも食わねば惜しい、少し食えばあきたらぬ。存分食えばあとが不愉快だ」とある。本当に腹いっぱい限界まで食べると後が不愉快になる。古代ローマでは美食を続けるために嘔吐したとされるが、愚の骨頂である。

私の好きな食べ物は寿司とハンバーガーである。寿司とハンバーガーは和食と洋食、高級料理とジャンクフードの対極的な取り合わせに見えるが、実はファーストフードという共通点がある。寿司は江戸時代のファーストフードであった。私は形式的権威的な食事は好まない。

寿司やハンバーガーがファーストフードであることは、ファーストフードの店舗で販売されるということ以上の実質的な意味がある。どちらも炭水化物とタンパク質を同時に食べるものである。主食を食べて、おかずを食べるという処理が一回で済む。それ故に寿司やハンバーガーは本質的にファーストフードになる。

私は一つ一つ片付けるシングルタスクの傾向がある。食事もご飯を食べ終えたら、おかずとなりがちです。寿司やハンバーガーは、これを避けられる。

私はマクドナルドなどハンバーガーチェーンのハンバーガーを食べることが多い。ハンバーガーチェーンに居心地の良さを感じる。コミュニティ重視の発想の対極ですが、顔見知りの常連に特別な気配りをすることは、別の誰かにマイナスのサービスをして成り立っている可能性がある。一見客に敷居があるよりは、誰に対しても同じサービスという機械的平等に心地良さを感じる。

私はコスパの観点からもハンバーガーチェーンを歓迎する。同じ時間を過ごすならば、喫茶店と比べると食事もできる分、ハンバーガーチェーンのコスパが高い。値段と味や品質が比例するという拝金主義の浅ましさを軽蔑する。高かろうが安かろうが、自分が気に入ったものを選択する。戦前戦中の集団主義的な価値観を嫌悪するが、唯一「贅沢は敵だ」は評価する。消費が美徳の昭和の時代は終わっている。

林田力『ハンバーガー』Amazon Kindle 2019/6/14
https://www.amazon.co.jp/dp/B07T2PPMQH/
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