中山祐次郎『医者の本音』(SBクリエイティブ、2018年)は、医者の本音を明らかにした書籍である。医者の本音を世間に理解して欲しいというスタンスで書かれているが、患者本位の医療に有益な内容がある。

医者は患者から冷淡に見られることが多い。しかし、それはコミュニケーションを取る時間が十分にとれないためとする。この対策として、患者が事前に聞きたいことをメモし、診察時に医者に見せることを勧める。これによって効率的な診察が可能になる。これは診察に限らず、全てのことに当てはまる。ビジネスシーンでもダラダラの対面コミュニケーションは無駄な仕事としてなくす方向になっている。

そもそも話し相手として医者を期待することは間違えである。本書は困る患者として、治療と無関係の話を続ける患者を挙げる。話をすることの効用を否定するつもりはない。海堂尊の医療ミステリーのバチスタ・シリーズでは愚痴外来が登場する。しかし、それは医者の仕事とは限らず、必ずしも医療資源の効率的な使い方とは言えないだろう。

アメリカならばカウンセラーが普及している。もし、カウンセラーは話をするだけだから意味がないと考えているならば、話し相手を欲すること自体が迷惑な行為になる。