Donald E.Brown著、鈴木光太郎訳、中村潔訳 『ヒューマン・ユニヴァーサルズ 文化相対主義から普遍性の認識へ』(新曜社、2002年)は社会・文化人類学に新しいパラダイムを提示する書籍である。文化相対主義を批判し、人類の普遍的な特性を重視する。原題は『Human Universals』。

文化相対主義は絶対的な価値観の押し付けを否定し、多様性を認める点で価値があった。しかし、文化の個性を強調するあまり、特定の文化の中の個々人の意識の違いや進歩を軽視してしまう問題がある。それは特定の文化の中の抑圧や搾取を正当化する危険がある。日本文化の独自性を認める文化相対主義は既得権に浸かる日本人にとって心地良いが、特殊日本的集団主義を温存しかねない。その結果、目の前の問題を解決するという名目で個人に負担や我慢を押し付ける。そのような不公正が続けられてきた。

ビジネス書では『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』が話題である。人類の組織を発展段階に応じて分類する。このような発想は本書のような人類の普遍性を重視する立場があってのものである。

暴走族や半グレ、ヤンキーは現代日本の恥ずかしい風俗である。これは現代社会の病理というよりも、野蛮な原始集団と共通する。そろいのジャンパーや刺青。暴力をふるう。犯罪の共犯となる。『ティール組織』の衝動型(レッド)組織の最も原始的な形態だろう。