林田力 だまし売りをなくしてSDGs

『東急不動産だまし売り裁判』著者

マンションだまし売り被害を消費者契約法で解決した裁判闘争を描くノンフィクション『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者。だまし売りをなくすことでSDGsの持続可能な消費に寄与したいと活動しております。
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2019年07月

華中華(ハナ・チャイナ) 4

西ゆうじ原作、ひきの真二作画『華中華(ハナ・チャイナ) 4』は中村華子の勤める中華料理店が海の家に出店する。現実の日本の海水浴場では海の家がクラブ化して半グレが集まり、風俗を乱すという問題が起きている。名門中華料理店の出店は海水浴場にとっても良いことである。

タイトルに中華を冠しながらも、料理はチャーハンだけである。このストイックさが良い。高級路線に走らない。逆に屋台や海の家とコモディティ化している。

華子は中華料理店に薄給でこき使われている。勤め続けても下働きばかりで料理人のスキルを高めることも期待できない。それ故に華子が隠れて別の店で料理することは完全に共感できる。一方で華子の副業は同業者を繁盛させた。オーナーの買収計画を二度も頓挫させる結果となった。

伝統的な競業避止義務の観点では華子の行動はアウトになる。しかし、物語の感覚では華子の才能を気付かず、活かそうとしない店が駄目であって、華子を非難しようとは思わない。働き方の感覚が変わってきている。

その点では闇営業が2019年に話題になったことは考えさせられる。振り込め詐欺など反社会的な半グレ集団のところに営業したことは大きな問題である。そこは強く非難できる。一方で事務所を通さずに営業したことを過度に問題視することは、事務所の芸能人支配の強化という時代に逆行する流れになる。


武蔵野線の西浦和駅から北朝霞駅の南側
JR東日本・武蔵野線の西浦和駅から北朝霞駅です。線路の南側です。
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警察犯罪

刑事事件になった警察不祥事をまとめた。近時の警察不祥事としては埼玉県警巡査が警察官の立場を悪用して遺族から金をだまし取る詐欺パターンが深刻である。
林田力『警察犯罪』Amazon Kindle 2019/6/28
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Japanese Police Crime
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リベラルアーツ分野の書評集。リベラルアーツは都合の良い言葉である。何も言っていないに等しいと言われないようにしたい。
林田力『リベラルアーツ』Amazon Kindle 2019/6/23
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Liberal Arts
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林田力『安土桃山時代』Amazon Kindle 2019/6/16
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Azuchi Momoyama Period
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林田力『アメリカ』Amazon Kindle 2019/5/31
アメリカ合衆国を舞台とした作品の書評レビュー集
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America
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林田力『世界史』Amazon Kindle 2017/12/4
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World History
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華中華(ハナ・チャイナ) 3

西ゆうじ原作、ひきの真二作画『華中華(ハナ・チャイナ) 3』は海外旅行から帰国したオーナーの嫁が経営に参画する。これまでオムニバス形式であったが、大きな話が進みそうである。華子の勤める店は駄目過ぎて潰れそうであったが、華子が学ぶ要素も生まれそうである。

楊貴妃の口癖はモチのロンである。勿論の意味である。華子も使うようになった。華子はメデタイくらいポジティブ志向である。他人のせいで減給になっても怒らない。痛々しい。ブラック企業のやりがい搾取のカモになりそうである。

「幽霊と寒がり屋」では華子が珍しく失敗する。体が温まる料理ということで唐辛子を使うが、日本人には合わない辛さであった。内臓に負担をかけずに、いい感じで温めてくれるようになるには食べ始めてから七世代くらいかかるとする。小川悦司『中華一番!極』第1巻でも日本人の母を持つキャラクターに重慶料理は辛過ぎて舌が痺れ、味が分からないと言わせている。

「幽霊と味噌」では味噌チャーハンを作る。味噌は日本の味である。味噌は落ち着く。野田サトル『ゴールデンカムイ』でも味噌を日本の料理文化と位置付けている。

林田医療裁判で佼成病院に公開質問状

患者の権利を守る会が林田医療裁判(平成26年(ワ)第25447号 損害賠償請求事件)を踏まえて、立正佼成会附属佼成病院に2019年6月30日付で公開質問状を送付しました。林田医療裁判では経管栄養の管理や治療中止の意思決定のあり方が争点となり、患者の長男が経鼻経管栄養の流入速度を速めたことが違法と認定されました。これを踏まえた公開質問状の内容は根拠のあるものであり、佼成病院の安全性の向上にも役立つものです。

医療実務にキーパーソンの意見しか聞かないという感覚が残っていることに一石を投じるものです。キーパーソンが、いかなる手順で、関係者の合意を得てキーパーソンが選任されたのか、キーパーソンは患者をadvocateする立場で発言しているのか(自己の負担を減らす立場から発言していないか)が問われます。家長の意見が優先される昭和時代ならばいざ知らず、価値観が多様化してダイバーシティーが重視される21世紀にどのように受け止められるかを問う意義があります。

佼成病院が面会を拒否し、公開質問にも回答しないことは、卑怯、逃げたとの印象を与えます。それは病院のCrisis communicationとして避けた方が良いものです。佼成病院には、これまで以上の対応が必要です。

患者の長男が患者の経鼻経管栄養の流入速度を速め、その後に患者が嘔吐したことや、「延命につながる治療を全て拒否」する長男だけの意向で治療方針が決まったことは不自然な状況です。不自然な状況に対する見解を述べることが、何よりの対策です。

かつて患者と医師の間にはパターナリズムの関係があり、医師の決めたことに一方的に従うだけでした。しかし、今は20世紀ではなく、21世紀です。昭和ではなく、令和です。患者本位の医療、患者ファーストの医療は当たり前の価値観になっています。古い感覚に縛られていたら時代に合わなくなり、存在意義を失います。

医療は公的に保護された規制産業であり、高い説明責任が求められます。患者あってのビジネスモデルであり、患者や家族に向き合った丁寧な説明が求められることは言うまでもありません。佼成病院が公開質問状をクリーンな姿勢を打ち出す好機として活用することを期待します。

世の中には医療過誤や消費者問題、冤罪など様々な問題があります。それらの問題が埋もれてしまい、広く世の中に明らかにならないことは、日本の最も恥ずべき汚点の一つです。日本社会には残念ながら、被害者であることを明らかにすることを恥と考える文化が存在しました。このような誤った風俗の存在は嘆かわしいことです。被害を明らかにするために活動する人々は称賛されこそすれ、非難される道理は存在しません。公開質問状が血と涙を知的財産に変える活動になると信じています。

三元豚しゃぶしゃぶ明太子ダレ

まねきの湯が夏のメニューを始めました。三元豚しゃぶしゃぶ明太子ダレは、肉のうまみと野菜の酸味がよく合います。涼やかなメニューです。プチトマトのさわやかな酸味が食欲をそそります。三元豚(さんげんとん)は、三種類の品種の豚を掛け合わせた一代雑種の豚です。ランドレース種(、大ヨークシャー種、デュロック種、バークシャー種などから三品種を掛け合わせます。
まねきの湯は江戸川区船堀の温浴施設です。まねきの湯は地下から汲み上げている天然温泉・美人の湯があります。美肌効果があります。刺青のある方や薬物中毒者の入館はお断りしています。他の消費者の安全安心の措置と言えるでしょう。
正式名称が「天然温泉 東京健康ランドまねきの湯」と長いことには理由があります。元々は東京健康ランドでした。経営主体が変わり、まねきの湯が付きました。一言で言うならば、まねきの湯になります。その後、温泉を掘り、天然温泉を冠するようになりました。天然温泉は銭湯やスーパー銭湯との大きな差別化ポイントであり、外せません。むしろ昭和的な言葉の東京健康ランドに魅力を感じません。

Google訴訟で詐欺検索結果削除認めず

自社名を検索すると「詐欺」などと表示され名誉が傷つけられたとして、セキネットが米Googleに検索結果の削除を求めた訴訟は検索結果の削除を認めないことで確定した。検索結果の削除は検索事業者による表現行為の制約になり、名誉毀損を理由とした削除請求が認められるには厳格な要件が必要とする。

Google側は以下のように主張していた。「仮に社会的評価が下がったとしても、表示の重要部分は間違っていないし、みんなの利益にもなる。つまり、公共性と公益性、真実性・真実相当性があるので、名誉毀損にはあたらない」(「ネットの悪評「消してほしい」アフィ業者と「消さない」Google 裁判始まる」BuzzFeed Japan 2016年10月7日)

東京地裁平成30年1月31日判決(鈴木正紀裁判長)は「検索結果が真実でないとは認められない」と削除を認めず、原告側の請求を棄却した。セキネットは控訴したが、東京高裁平成30年8月23日判決も一審判決を支持し、控訴を棄却した。

大段亨裁判長は、検索結果が真実でないことや公益性がないことが明らかで、重大で回復困難な損害が生じる恐れがある場合、削除が認められるとし、削除請求は出版物でいえば事前の差し止めに当たるとした(「ネット検索削除、二審も認めず グーグル訴訟で厳格基準」中日新聞2018年8月23日)。

最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は2019年7月16日付で上告を退ける決定をした(「東京のネット関連会社、敗訴確定 検索結果の削除認めず」共同通信2019年7月17日)。

華中華(ハナ・チャイナ) 2

西ゆうじ原作、ひきの真二作画『華中華(ハナ・チャイナ) 2』はチャイナドレス姿の華子が表紙。但し、チャイナドレス姿は表紙だけで、本編で着ているシーンはない。第3巻でチャイナドレスを着て接客するシーンが描かれる。華子は服やバッグなど高価な買い物をする気がないと言う。価格と品質が比例するという愚かな価格信仰に陥っていない華子は健全である。
華子の勤める中華料理店では中国企業経営者の令嬢を受け入れている。ワガママお嬢様であるが、周りは逆らえない。中国の経済発展を背景とした設定である。昭和の感覚ではついていけないだろう。しかも、向学心を持っており、金持ちの馬鹿娘ではない。
「幽霊と娘の欲望」では、お嬢様が日本にも湘南があると驚く。これに対して日本人従業員は内心で「湘南と言えば神奈川県の相模湾沿いに決まっている」と、お嬢様の無知を馬鹿にする。しかし、湘南の本家は中国である。日本人従業員が無知である。即座に楊貴妃の幽霊に突っ込まれている。
「幽霊と黄金」では華子の勤める中華料理店にテレビのグルメ番組が収録に来る。中華料理店では普通のメニューでは使わない高級食材を使った料理をレポーターに食べさせる。グルメ番組に紹介される時だけ普段よりも豪華な料理を視聴者をだますことになる。東急ホテルズなどの食材偽装と同じ問題である。
放し飼いで育てた鶏の卵が美味しい。『美味しんぼ』にも健康的な放し飼いの鶏の話がある。動物愛護の観点でも窮屈な飼育が批判されている。

麻雀放浪記2020

『麻雀放浪記2020』は阿佐田哲也『麻雀放浪記』を原案として、2019年4月5日に公開された映画である。坊や哲(斎藤工)が1945年から2020年にタイムスリップする。『麻雀放浪記』とは物語の時代が異なる。あくまで原案としただけの新たな作品である。清水洋三『麻雀放浪記2020』(近代麻雀コミックス)は漫画版である。

坊や哲がタイムスリップした2020年の日本は監視社会化したディストピアである。監視カメラやマイナンバーによる監視社会化が進み、警察はデモ参加者に殴る蹴るの暴力を加える。東京オリンピックは戦争で中止された。オリンピック会場予定地ではオリンピックの代わりにAIと人間を麻雀で戦わせる麻雀世界大会が開催されることになり、坊や哲が参加する。エンジニアの林田(矢島健一)が開発したAI搭載アンドロイド(ベッキー)が人間の参加者を迎え撃つ。

映画に出演したピエール瀧はコカインを使用したとして麻薬取締法違反容疑で逮捕された。しかし、他出演作品の自粛とは一線を画し、ピエール瀧出演シーンをノーカットで劇場公開した。警察の横暴や個人情報無視など権力批判が鋭い作品である。ピエール瀧が演じる杜という人物自体が森喜朗元首相を風刺した存在である。もし映画が公開中止となったら、公開中止とするための権力側の策略ではないかと陰謀論に与したくなる。

実際、ピエール瀧の冤罪を指摘する声がある。コカインの恐ろしい症状にコークバグがある。コカインを摂取していると、体中を小さな虫に這い回られるような感覚に陥る。ここから皮膚をひっかき、皮膚が裂ける傷が体中にできる。この傷がコークバグである。冤罪説は、半裸パフォーマンスの多いピエール瀧の身体にコークバグは見られないと指摘する。

ピエール瀧の擁護意見には依存性薬物を問題ないと開き直るものが見られた。そのような意見には同意できない。危険ドラッグ中毒者が交通事故を起こすなど依存性薬物は本人だけの問題ではなく、社会悪である。それに比べると上記の冤罪説は依存性薬物の恐ろしさを広めることと両立する主張である。

華中華(ハナ・チャイナ)

西ゆうじ原作、ひきの真二作画『華中華(ハナ・チャイナ)』(小学館)は徳島県から横浜中華街に出てきた女性・中村華子が楊貴妃の幽霊に導かれて中華料理人を目指す料理漫画である。チャーハンという庶民的な料理を工夫する点で好感が持てる。価格と味が比例するという高価な料理を有り難がる愚かさはない。
中華鍋は使い込むことで味が出る。この点も高価なものが価値があるという価格信仰の愚かさに陥っていない。
一方で華子の働く中華料理店はブラック企業的である。料理は作らせてもらえず、給料は僅か三万円である。楊貴妃の幽霊や大叔父が見守っているが、先ずこのブラック企業を何とかすべきではないか。実際、華子のチャーハン作りは他の店で行っている。下積みの修行は才能の浪費である。健気に頑張ることを美徳とする昭和の感覚は萎える。
楊貴妃が人助けしたり、性格が良かったりすることは、あまり楊貴妃らしさを感じず、違和感がある。しかし、本作品の楊貴妃は安史の乱で殺害されず、玄宗によって日本に逃がされたという設定になっている。それならば本作品のような性格の楊貴妃も成り立つだろう。

中央線の中野駅から三鷹駅

中央線の中野駅から三鷹駅です。線路の北側です。高円寺駅、阿佐ヶ谷駅、荻窪駅、西荻窪駅、吉祥寺駅は通過します。

風風ラーメン浦和道場店の味噌ラーメン

風風ラーメン浦和道場店の味噌ラーメンです。
味噌ラーメンは味噌ダレのスープのラーメンです。味噌のスープに美味しさを感じます。ラーメンは日本化した中華麺ですが、日本料理の主要な調味料を使った味噌ラーメンは一層日本的です。
以前の私は塩ラーメンが好きでしたが、最近は味噌ラーメンが好きになりました。健康志向になったのでしょうか。味噌は日本料理の主要な調味料で、主に味噌汁として利用されています。味噌は大豆に塩と麹を混ぜて発酵させて作ります。発酵調味料の味噌は代謝促進効果が優れています。主なラーメンの種類は塩と醤油と味噌になりますが、全て塩が使われています。味噌を通した塩分摂取は、食塩を単独摂取した場合と比べて血圧上昇しにくいとされます。
味噌ラーメンは北海道札幌市の「味の三平」が発祥です。「栄養があり美味しいものを提供したい」との思いから、身体によいと言われていた味噌を使用したとされます(川島信広「札幌味噌ラーメンならここ!押さえておくべき3店」ぐるたび2016年3月1日)。チェーン店の「どさん子」が味噌ラーメンを全国に浸透させました。
また、サンヨー食品は1968年9月に即席麺「サッポロ一番 みそラーメン」を発売しました。サッポロ一番と言えば「みそラーメン」くらいなイメージになっています。但し、サッポロ一番シリーズの最初は1966年1月の「サッポロ一番(しょうゆ味)」でした。
風風ラーメン浦和道場店の味噌ラーメンは、もやしやコーン、ネギが載っています。バリエーションに味噌バターコーンラーメンがあります。これはバターコーンのトッピングを追加したものです。バターコンラーメンと言えば濃厚なスープを好む向きもありますが、こちらはさっぱりしています。そのために食後は胃もたれしません。
Ramen is a Japanese noodle soup. It consists of wheat noodles. It uses toppings such as meats, vegetables, dried seaweed. It looks like a Chinese style, but it is a dish originating in Japan. It is inexpensive and widely available.
Miso Ramen is ramen noodles in deep rich soybean paste based sauce. It originated in Hokkaido where the long cold winters spurred the need for a heartier type of ramen soup.
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無電柱革命

小池百合子、松原隆一郎『無電柱革命』(PHP新書、2015年)は無電柱化推進を訴える書籍である。一般に無電柱化の目的は景観とされる。それに加えて防災目的がある。災害時に電柱が倒れて害を及ぼし、さらに復旧の妨げになるという問題である。阪神・淡路大震災の被災者へのアンケートでは、回答者の76%が倒壊した電柱で被害に遭ったとする。
共著者の小池氏は後に東京都知事になり、そこで無電柱化に力を入れる。「私は以前から「無電柱化」に、ずっとこだわってきました。阪神・淡路大震災の時に電柱が倒れることによって救急車や消防車の行く手が阻まれました。そうした問題もあって、私自身は以前から電柱に対して違和感を持っていたんですけれど、これも一気に進めていくようにしたい」(「小池百合子・東京都知事インタビュー(後編)、「金融、バリアフリー、無電柱化で技術革新」」日経xTECH 2018年3月15日)
無電柱化は欧米だけでなく、中国や韓国でも進んでいる。いつの間にか日本は後進国に転落している。これには「電柱を残すことが昭和のロマンがあっていい」という感覚があるのではないだろうか。働き方改革やシェアリングエコノミーが進まないことと共通する問題である。
もっと意味のある無電柱化への批判がある。街路樹を伐採する無電柱化工事への批判である。景観を良くする無電柱化が街路樹を伐採して景観を破壊することは本末転倒に見える。しかし、これは実はあまり噛み合った批判にならない。無電柱化には防災目的があり、それならば全ての箇所で無電柱化を進めるべきという結論になる。「この場所は街路樹が整備されているから、このままでいい」という主張は通しにくい。
建設的な批判をするならば「既存樹木を伐採しない無電柱化」を提言することになるだろう。しかし、これも言葉としては美しいですが、実現性を考えると問題がある。街路樹は残すとなると、道路は掘らない代わりに軒下配線や裏配線が求められる。これは道路脇の土地所有者に新たな負担が生じる。さらに道路脇の民有地の地下に電線を通す案も浮上しかねない。
実は小池百合子政経塾・希望の塾第五回講義では無電柱化が取り上げられた。そこでは無電柱化のために「工事の受容・協力、地上機器受け入れ等も必要に」と指摘された。無電柱化という公共目的のために私権である個々人の土地所有権を制限する考えが出ている。私は、これを最も危惧している。既存樹木を伐採しないことが目的化されると逆に周辺民有地の私権の犠牲を推進することになりかねない問題がある。
無電柱化には電力一家の独占利権を打破する効果があると考える。日本で無電柱化が進まない理由の一つに電力会社や系列企業に無電柱化のインセンティブが働かないことがある。ここでも既得権の打破が必要である。無電柱化は環境以外にも考える要素がある問題である。
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