オンライン診療を初診から認めるか否かが論点の一つである。消費者感覚からすれば通院よりもオンラインの方が負担は小さい。最初にオンラインで、良ければ通院が消費者の発想である。「初診は通院」は供給側の発想である。
一方でオンライン診療は医療の質の点から否定的な意見がある。「少なくとも医療の「入口」に相当する初診については、患者の状態を診察や検査、触診、聴診、視診で把握できる対面診療が必要と考えており、初診をオンラインや電話で対応するのは受診勧奨や受診相談にとどめるべきであろう」(三原岳「オンライン診療を巡る議論を問い直す-初診対面原則の是非だけに囚われない視点を」ニッセイ基礎研究所2020年6月5日)
このレポートでは以下のように指摘しており、初診のオンライン診療を認めなくても、オンライン診療の活用用途は多くあると指摘する。しかし、そのように考える医師が多いと楽観視できない。
「患者と医師がコミュニケーションを取る際のツールの多様化と位置付けるべきであり、普段から患者と医師がオンラインでコミュニケーションを取れれば、患者―医師の信頼関係を構築・維持する上でプラスに働くし、「対面が主、オンライン診療が従」と固定的に考える必要もない」
アメリカ合衆国大統領候補は医療部門が変化に消極的であることを示すジョークを紹介している。「優れたアイデアを死なせたかったら、医療部門にもっていくといい」(アンドリュー・ヤン、早川健治『普通の人々の戦い AIが奪う労働・人道資本主義・ユニバーサルベーシックインカムの未来へ』那須里山舎、2020年、351頁)。
オンライン診療に前向きな、やる気のある医療機関が取り組みやすくするために初診もオンライン診療を可能にしても良いのではないか。