「左門、その六人はどうして逃げたのだろうか。お前は何か知っているのではないか?」
左門と親しい林田利吉は、左門に尋ねた。
「はい。実は、長兵衛は、他の五人に、拙者と手合わせをするようにと誘ったらしいです」
「それで、六人で戦ったのか」
「はい。六対一で戦い、六人とも負けたので、長兵衛は、皆を殺すことにしたようです」
「な、なんと……」
「拙者も、まさか、そこまでするとは思いませんでした」
「お前が止めなかったのか?」
「いえ……止める暇もなく……。申し訳ありませぬ」
左門は、自分が足軽達を止めなかったことを後悔していた。
「そうか。左門のせいじゃないよ」
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