さいたま市各区の自殺死亡率は以下の通り。自殺死亡率は人口10万人あたりの自殺者数。
さいたま市(2009年)23.8
岩槻区23.0
桜区22.9
西区・大宮区22.6
見沼区20.2
緑区19.3
北区19.2
中央区18.0
浦和区15.8
南区15.7
さいたま市(2015年)15.6
各区の自殺死亡率は2009年から2015年の平均値(『第2次さいたま市自殺対策推進計画』21頁)。さいたま市の自殺死亡率は『第2次さいたま市自殺対策推進計画』10頁。
さいたま市の自殺死亡率は日本と比べて相対的に低いですが、それでも年間200人近くもの人々が自殺で亡くなっています。
また、区毎に開きがある点は気になるところです。最も自殺死亡率が高い岩槻区と最も低い南区では7.3ポイントもあります。これは日本とドイツの自殺死亡率の差よりも大きいです。つまり、自殺死亡率の高い国と低い国くらいの差があります。浦和区や南区という人口の多い区の自殺死亡率が低いため、さいたま市の自殺死亡率が低くなっていると考えられます。
2018年冬ドラマでは『アンナチュラル』が話題でした。主人公の三澄ミコト(石原さとみ)は浦和出身ですが、浦和市は「浦和市一家四人無理心中事件」という、さいたま市にとって不名誉な紹介のされ方でした。

世界各国の自殺死亡率(世界保健機関2015年)は以下の通り。
韓国・モンゴル28.3
日本(2010年)24.3
ポーランド22.3
ハンガリー21.6
ロシア20.1
日本(2015年)19.7
フランス16.9
アメリカ合衆国14.3
ドイツ13.4
イギリス8.5
日本は世界各国と比べて自殺率が高く、自殺の防止は国家的課題です。国立社会保障・人口問題研究所の2010年の推計では日本国内の自殺とうつ病による経済損失は年間2兆7千億円になります。
各国の自殺死亡率の傾向は、旧社会主義国や東アジアで高く、南ヨーロッパで低いです(矢野恒太記念会『世界国勢図会-世界がわかるデータブック(2015/16年版)』(矢野恒太記念会、2015年、444頁)。公益重視で集団主義的な社会は個人が抑圧されて自殺が増えるということでしょうか。

さいたま市は自殺者数に占める若年層の割合が全国や埼玉県より高い点が特徴です。全国26.3%、埼玉県28.4%、さいたま市32.0%です(「第2次さいたま市自殺対策推進計画」94頁)。
「埼玉県って首都圏に近くて交通の便もいいので、色んな夢をもった方が集まってくるかと思うんです。そんな人達が大きな悩みにぶつかったとき、ふと周囲を見渡すと親しい人が誰もいない。そのことに一人絶望して、そのまま……、っていうケースがあるんじゃないかなって思います」(埼玉県保健医療部疾病対策課「若年層向け自殺予防キャンペーン×美人時計」(あやな))
さいたま市で自殺死亡率が最も高い岩槻区の若年層自殺者の割合は22.3%です。高齢者の割合が高い類型です。これに対して次に自殺死亡率が高い桜区の若年層自殺者の割合は35.1%と高めです。
自殺の動機は健康問題が圧倒的に多いです。2015年のさいたま市の自殺者の動機では健康問題は73.2%です。次が経済・生活問題で12.2%です(『第2次さいたま市自殺対策推進計画』15頁)。健康問題の中には、うつ病の悩みや影響が含まれています。