林田力 何者のだましの堤防も崩す

『東急不動産だまし売り裁判』著者

ノンフィクション著者。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』マンションだまし売り被害を消費者契約法で解決。何者もだまし売りのない世界へ。だまし売りNoでSDGs。消費者の堤防/Amazon Kindle出版/林田医療裁判/中野相続裁判/二子玉川再開発問題/書評/マンガ/YouTube
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サイゼリヤ

サイゼリヤの鶏肉のオーブン焼き

サイゼリヤのランチセットは500円です。2019年の消費税増税後も500円です。ハンバーグはハンバーグと目玉焼き、ホウレンソウ、コーン、ライス、スープです。鶏肉のオーブン焼きは鶏肉、ホウレンソウ、コーン、ライス、スープです。
サイゼリヤはコスパの高い飲食店です。「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」第4話エンディングの第5話予告では「サイゼはリーズナブルな価格と普通にうまいのがよいところ」「サイゼ最高だよな」との台詞があります。
私は価格(値段)と味や品質が比例しない店が好きです。価格は高ければいいというものではありません。私は良いものは良い、美味しいものは美味しいと言います。高自分の感性と直感は誤魔化せません。
高い価格を高い価格ということで有難がると拝金主義、情報弱者の価格信仰に陥ります。それは浅ましく、愚かです。堅実な消費者感覚から値段と味や品質が比例しないコスパの高い店を応援します。
論語里仁編に「子曰わく、士、道に志(こころざ)して、悪衣悪食(あくいあくしょく)を恥ずる者は、未(いま)だ与(とも)に議(はか)るに足らず」とあります。この悪は悪いという意味ではなく、粗末の意味です。粗衣粗食の意味です。
久部緑郎作、河合単画『ラーメン発見伝 2 塩の秘密』(小学館、2000年)「大衆料理の味」は値段と味が比例しないことを指摘します。低価格で提供するから、不味くても仕方ないとする発想は思い上がりです。
フランス料理が全て高級ぶっているとの発想も誤りです。フランスにも低所得者向けの食堂はあります。そこでは安くて美味しい料理を工夫して出しています。日本人のフランス料理人もフランス修行中には助けられました。シェフの修行時代を描いたノンフィクションでは少ない給料で高級レストランに行って舌を肥やしたという描写がされることがあります。実際は本作品のように大衆食堂の日常グルメで舌を肥やす方が多いでしょう。
価格と味や品質が比例するという価格信仰の拝金主義はエンタメ作品で痛烈に批判されています。「高価な墓石を立てるより 安くても生きてる方が素晴らしい」(大事MANブラザーズバンド『それが大事』)。
「パーティーや高級レストランの食いものに比べりゃ、ここのハンバーガーのほうが、よっぽどマシだ」(浦沢直樹『MONSTER 15』小学館、2000年)
安い服の店に入った人を貧乏人とする決めつけに対して、「服の趣味は人それぞれですからね。ビンボーとはかぎりませんよ」(林田球『ドロヘドロ 2』小学館、2002年)
「お前は値段の高さがものの良さだと思っているのか」「高級品を身に着けふんぞり返ってみろ、それこそ品格が疑われる」(栗山ミヅキ『保安官エヴァンスの嘘 DEAD OR LOVE 3』小学館、2018年)

サイゼリヤは値段と味が比例しない実例

サイゼリヤはイタリア料理を気軽に楽しめるイタリアンワイン&カフェレストランです。サイゼリヤの魅力は何といってもコスパの高さです。値段と味が比例するという情報弱者の価格信仰を否定します。拝金主義者は愚かにも食べ物の質と値段が比例すると考え、高級料理店の料理が美味しいものとありがたがって食べています。しかし、それは値段でしか価値を量れない愚か者の思考です。

モットーは「より美味しいものをより安く」。イタリアンでリーズナブルというコンセプトは画期的です。値段はリーズナブルながら、イタリアンへのこだわりは一般のファミレスよりも美味しさがあります。お得感のあるレストランです。消費者に嬉しい店です。庶民が手頃と思える値段と味が繁盛の理由です。

サイゼリヤは千円を超えずにしっかりと食事ができます。ミラノ風ドリアは299円。ランチセットのハンバーグは500円です。2019年の消費税増税後も500円です。ハンバーグと目玉焼き、ホウレンソウ、コーン、ライス、スープです。一人千円で飲み食いを十分に楽しめたとの記事があるほどです(安田理央「「サイゼリヤ」で1人千円以内で完璧に飲むための極楽メニュー」メシ通2018年11月13日)。

さいたま市桜区のサイゼリヤは西堀と下大久保にあります。サイゼリヤさいたま西堀店は新六間道路沿いにあります。埼京線の線路の東側です。サイゼリヤ埼大前店は埼大通り沿いにあります。埼玉大学の近くのため、学生達が集まります。

サイゼリヤ創業者の経営書(正垣泰彦著、日経レストラン編集『おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』)のタイトルは挑発的です。悪くとれば売れたもの勝ちと言っているようにも読めます。しかし、本書の趣旨は、美味しいものを提供しているから売れて当然という事業者の思い上がりを戒めるところにあります。生産者主導ではなく消費者主導の経済に合った思想です。プロダクトアウトではなく、マーケットインです。実際、著者は消費者をよく研究しています。

昭和の日本企業の「良いものを作れば売れる」という思想は何を作っても売れた右肩上がりの時代だから成り立ったものです。消費者意識が高まった21世紀には通用しません。サイゼリヤのような企業が消費者から支持されることは当然です。

2016年の東京都知事選挙ではサイゼリヤで食事する人の気持ちがわかるのは鳥越俊太郎候補だけという応援がなされ、それが実際にサイゼリヤで食事をしている人々から反感を受けました。そのような発想をする人々こそ、コスパの高い買い物を選択する消費者を見下しているのではないでしょうか。
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