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隣地建て替えによる日照・眺望・通風阻害のマンション購入契約を消費者契約法の不利益事実の不告知で取り消したノンフィクション『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』/二子玉川再開発問題/Achieving SDGs by No Fraud & No Drug/Stand With Ukraine

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医療

SDGs 3 すべての人に健康と福祉を

林田力「新しい時代には新しい医療を 新しい医療のカタチ」のスライドショーです。
Oneさいたまの会「聞いてよ市長!第2回さいたま市民政策プレゼン大会」(武蔵浦和コミュニティセンター多目的ホール、2019年10月30日)で発表しました。
医療は超高齢化が進む中で持続可能な社会を目指す上で大きな課題です。患者にとって病院への通院が楽しみになり、勤務医の労働条件を向上し、病院を社会的コストから産業と雇用を生む場に転換します。
「新しい時代には新しい医療を 新しい医療のカタチ」はSDGsの目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」に寄与します。

病院のコスト満足度向上

病院のコスト満足度向上です。事業多角化により、診療以外の収入を得ることを考えようという提案です。病院に社交・娯楽の場を作ることを提案しました。これは病院には新規ビジネスチャンスになります。実例としてスパやフィットネスがあります。
デジタル時代は業種の壁が低くなります。異業種から医療健康分野への参入が進みますし、病院も生き残りのために異業種に参入する必要があります。これは産業構造の変化から導き出される必然です。
病院がサービス業に進出することは、サービスマインド醸成のためにも有益です。呼び方だけ患者様というようになりましたが、それだけではサービスマインドは高まりません。例えば長過ぎる待ち時間はサービス業ならば考えにくいことです。
また、医療法人の経営は、医療・介護型多角経営の場合に、他の場合と比較して、黒字経営となる可能性が大きいとの研究結果があります(大野博「医療法人の経営多角化と黒字経営に関する研究」日本医療経済学会会報29巻2号、2010年)。
Oneさいたまの会の議論では多角化の一案として病院ブランドを活かした健康食・レストランが出ました。但し、医療法人は医療法によって収益事業が認められていないという壁があります。
但し、医療法によって医療法人の収益事業には制限があります。市が現行法上可能な多角化の後押しをすることを提案します。
もう一つのコスト施策として、医療従事者の労働満足度向上で話したチーム医療や分業化があります。ここから医師以外ができる作業は医師以外に分業させます。たとえばドクターズクラーク(医師事務作業補助者)を活用します。
これは経営の視点では低単価要員の活用であり、コスト削減になります。人件費削減と雇用拡大という一見すると矛盾するものが両立します。
最後にまとめです。
大きく2点の提言にまとめられます。
病院サービスの充実と過労死防止条例の制定です。ぜひ検討をお願いします。

Oneさいたまの会は「聞いてよ市長!第2回さいたま市民政策プレゼン大会」を開催します。
日時:2019年10月30日(水)午後7時から9時まで
場所:サウスピア9階多目的ホール
https://alis.to/hayariki/articles/3k9LBlAAX1Vy

チーム医療

医師の特殊性として医師法19条というものがあります。これは医師は治療を拒んではならないという義務を定めたものです。
医師法19条(医師の応召義務)「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」
しかし、「医療機関としては労働基準法等の関係法令を遵守した上で医師等が適切に業務遂行できるよう必要な体制・環境整備を行う必要があり」「応召義務があるからといって、医師は際限のない長時間労働を求められていると解することは正当ではない」(医師の働き方改革に関する検討会「医師の働き方改革に関する検討会報告書」2019年3月28日、4頁)。

条例を定めるとして、現実に長時間労働の削減が可能か問題になります。過労死防止条例によって過重労働を実効的に規制することは大切です。それこそが政治の役割です。
一方で、ただ過重労働するなと規制するだけでは、プレミアムフライデーや改元前の10連休のような有難迷惑な民間感覚欠如の公務員仕事と言われてしまいます。
そこで勤務医の労働条件を改善する施策を提言します。解決策としてチーム医療を提言します。
チーム医療は一人の患者に複数のメディカルスタッフ(医療専門職)が連携して治療やケアに当たる体制を言います。医師を交代制にしたり、看護師や療法士、ソーシャルワーカーら他の職種と協働したりします。これによって負担を軽減し、質を向上させます。
主治医制からチーム医療に転換します。主治医ということが患者に24時間張り付かなければならないという過重労働につながりやすい結果になります。一人の主治医が責任を持つ体制では24時間電話がかかってくる負担があります。一人なので見落としやミス、独善も起きます。今や最も個性が重視されるアイドルの世界でもAチーム、Bチームなどに分かれて公演する時代です。
フランスでは多分野グループ診療の試験的プロジェクトでサービス向上につながるとの結果ができています。これは世界銀行の英語のレポートに掲載されています(Helene Barroy, Zeynep Or, Ankit Kumar and David Bernstein; Sustaining universal health coverage in France: a perpetual challenge, World Bank, 2014, p.29)。
それから分業化による負担軽減です。医療事務など医師以外の労働者への分業化を徹底します。これは診療報酬の点でも優遇されます。
また、診療報酬の点では優遇されませんが、医療事務のクラウドソーシングも出てきています。先進的な自治体はクラウドソーシングと連携しています。
チームで取り組むことが優れていることは、実は当たり前のことです。
ここではF1のピットストップの例を説明します。
1950年のF1のピットストップでは一人の人が一つずつタイヤを交換していきました。ピットストップで1分以上の時間がかかっていました。
21世紀のF1のピットストップでは20人が一斉にタイヤを交換します。所要時間は僅か2秒です。

Oneさいたまの会は「聞いてよ市長!第2回さいたま市民政策プレゼン大会」を開催します。
日時:2019年10月30日(水)午後7時から9時まで
場所:サウスピア9階多目的ホール
https://alis.to/hayariki/articles/3k9LBlAAX1Vy

医療従事者の労働満足度向上

2番目の医療従事者の労働満足度向上に入ります。
前提事実として、勤務医の労働条件は過酷です。
医師不足が言われていますが、問題は偏在にあると考えます。勤務医は労働条件が悪いため、敬遠されています。
ここで勤務医の労働条件の悪さを示す二つの事例を紹介します。
杏林大学医学部付属病院では約15人の医師が過労死ラインの月80時間超の残業をしていました。しかも残業代を未払いでした(「杏林大、医師に長時間労働 労基署勧告」日本経済新聞2018年1月20日)。
また、佼成病院小児科医過労自殺訴訟という裁判がありました。佼成病院の小児科医が過労自殺して遺族が裁判を起こしました。この裁判では具体的な予見可能性がないとして病院の責任を否定しました。病院が分からなければ責任に問えないという理屈です。
分からなかった人に責任を問えないというのは青臭い法律論ならば通用しますが、過労死をなくしていこうとする立場からは困った問題があります。勤務医の労働実態をきちんと管理している病院ならば、勤務医が過重労働に陥っていることを把握できるため、責任を問えます。しかし、病院が勤務医の労働実態を管理していなければ責任を問われないならば、労働実態を管理しない方が良いという本末転倒に陥ります(「過労死・自殺が相次ぐ勤務医、ずさんな労務管理が横行、2割が過労死ライン」東洋経済オンライン2008年11月11日)。
過剰労働を抑止できる実効的な規制が必要です。
そこで過労死防止条例の制定を提言します。勤務医だけでなく、全ての働く人に関係する条例です。働きやすい、さいたま市のイメージアップにもあります。さいたま市は2018年の幸福度ランキングで1位から2位に後退しました。それは仕事分野が落ちたためとされます。働きやすい、さいたま市は重要なポイントになります。
私の昨年の発表テーマは自殺0でした。過労自殺は自殺の一類型です。過労死防止条例によって、働きやすさを感じる、魅力的なさいたま市をアピールできます。

Oneさいたまの会は「聞いてよ市長!第2回さいたま市民政策プレゼン大会」を開催します。
日時:2019年10月30日(水)午後7時から9時まで
場所:サウスピア9階多目的ホール
https://alis.to/hayariki/articles/3k9LBlAAX1Vy

病院に社交・娯楽の場を

患者の診療満足度向上の最後の提案です。
病院に社交・娯楽の場を作ってほしいという提案です。病院にエンターテイメント性を持たせ、アミューズメントパークにしようという提案です。待ち時間を有効活用し、病院に行くことが楽しくなるようにします。義務的な通院から健康消費という価値を提供する場にしましょう。
たとえば温泉、ジム、レストランの充実です。古くから温泉療法があります。温泉ではないですが、桜区には桜環境センターが温浴施設になっており、非常に賑わっています。需要はあると言えます。
利用者同士が交流を持てる社交サロンとして、囲碁や将棋、花札、ボードゲームができる場所を設けることはどうでしょうか?
ちょうど現在放映中のアニメ『放課後さいころ倶楽部』はボードゲームをテーマにしています。ボードゲームを打ち出すならばタイムリーになります。
また、ゲームセンターと病院の組み合わせです。ゲームは敵視されがちですが、頭や反射神経を使います。ゲームという言葉に抵抗があるのでしたら、eSportsという切り口もあります。
物産展と病院の組み合わせも出ました。病院はバス路線の重要ポイントになることが多く、道の駅として賑わいの場にできます。ここは、まちづくりのグループが発表します。
すぐできそうなこととして、コミュニティー施設と連携して病院の壁を使って美術展を開催することがあります。

Oneさいたまの会は「聞いてよ市長!第2回さいたま市民政策プレゼン大会」を開催します。
日時:2019年10月30日(水)午後7時から9時まで
場所:サウスピア9階多目的ホール
https://alis.to/hayariki/articles/3k9LBlAAX1Vy

患者がどのような基準で病院を選択するか

患者がどのような基準で病院を選択するかを見てみます。
さいたま赤十字病院のアンケート結果です。一番多いものは紹介ですが、これは患者の主体的選択ではないため、外します。
外来患者は、専門医がいる、交通の便が良い、自宅・職場・学校から近いとなりました(さいたま赤十字病院TQM推進室「平成30年度第1回外来患者さん満足度調査結果概要」)。
入院患者は、交通の便が良い、医療設備が良い、かかりつけ医がいるとなりました(さいたま赤十字病院TQM推進室「平成30年度入院患者さん満足度調査結果概要」)。
どちらにも交通の便が入っています。病院自身の実力とは別の要素です。これが南区あたりに病院を新設してほしいという提案の理由になります。ひとつ前のスライドでは人口の多い南区の病院が少ないことが分かりました。南区辺りに病院を作ったら、どうでしょうか?
また、専門医がいることや医療設備が良いことが選択理由になっています。ここからは専門医がいて設備が整った大病院を希望しているという結果になりました。やはり大病院が好まれます。これはOneさいたまの会での議論も同じでした。国は、かかりつけ医にシフトしようとしていますが、専門性や設備面で不十分と感じる人が多いです。

Oneさいたまの会は「聞いてよ市長!第2回さいたま市民政策プレゼン大会」を開催します。
日時:2019年10月30日(水)午後7時から9時まで
場所:サウスピア9階多目的ホール
https://alis.to/hayariki/articles/3k9LBlAAX1Vy

患者の診療満足度向上

患者の診療満足度向上を高める施策を説明します。大きく3点あります。
第一に、さいたま市は病院が少ないため、もっと病院を作ろうということです。
第二に、診療をデジタルトランスフォーメーションで補完する提案です。デジタルトランスフォーメーションは産業界の流行り言葉です。ITを活用して補おうということです。
第三に、通院を楽しいものにするために、病院をアミューズメントパークにしようという提案です。

日本医師会のシンクタンクである日医総研の意識調査結果です。医療の重点課題として「高齢者などの長期入院施設や介護老人保健施設の整備」と「夜間や休日の診療や救急医療体制の整備」がツートップです(日医総研ワーキングペーパーNo.384「第6回 日本の医療に関する意識調査」2017年)。
一般に言われがちな自宅で最期ではなく、やはり病院が求められていると言えます。実際、Oneさいたまの会では広く保健福祉をテーマに議論したが、病院への要望が圧倒的でした。

Oneさいたまの会は「聞いてよ市長!第2回さいたま市民政策プレゼン大会」を開催します。
日時:2019年10月30日(水)午後7時から9時まで
場所:サウスピア9階多目的ホール
https://alis.to/hayariki/articles/3k9LBlAAX1Vy

病院に通うことは大変

Oneさいたまの会は「聞いてよ市長!第2回さいたま市民政策プレゼン大会」を開催します。
日時:2019年10月30日(水)午後7時から9時まで
場所:サウスピア9階多目的ホール
https://alis.to/hayariki/articles/3k9LBlAAX1Vy

病院に通うことは大変です。ここでは、とある桜区道場住民が通院する例を紹介します。
大宮区にある自治医科大学附属さいたま医療センターに通院するためにはバス、電車、バスを乗り継ぐ必要があります。1回の通院で往復千円以上の交通費がかかります。医療費には高額療養費制度がありますが、通院交通費には補助がありません。
西区の、さいたま市民医療センターにはコミュニティバスがありますが、1時間に1本しかありません。どれほど立派な病院でも通院が不便では大変です。
そこで新しい時代に合った①患者の診療満足度、②医療従事者の労働満足度、③病院のコスト満足度を高める施策を提案します。

さいたま市は病院が少ない

Oneさいたまの会は「聞いてよ市長!第2回さいたま市民政策プレゼン大会」を開催します。
日時:2019年10月30日(水)午後7時から9時まで
場所:サウスピア9階多目的ホール
https://alis.to/hayariki/articles/3k9LBlAAX1Vy


まず自己紹介をします。私は、さいたま市桜区に住んでいます。2018年の「聞いてよ市長」では「自殺0を目指す 明日の約束プロジェクト」を発表しました。プライベートでは家族が相次いで病院に入院するという経験をしました。だからという訳ではないですが、今回は医療をテーマとします。
個人的な関心で入りましたが、客観的にも、さいたま市にとって医療は課題です。さいたま市は幸福度ランキングで総合2位です。大変すばらしい結果です。しかし、健康は8位です(寺島実郎監修、日本総合研究所編、日本ユニシス株式会社総合技術研究所システム分析協力『全47都道府県幸福度ランキング2018年版』東洋経済新報社、2018年)。
データでみると現実に、さいたま市は病院が少ないという問題があります。
埼玉県やさいたま市が人口に比べて医師の割合が少ないことは報道などでも言及されています。これに対して私達は病院や病床数に着目しました。それはOneさいたまの会の議論を踏まえてのものです。
政府のスタンスは「治療より予防」や「かかりつけ医」を重視しています。それはそれで大切なことです。しかし、Oneさいたまの会で何度も議論する中で、出た意見は病院、特に総合病院が必要性であることと、気軽に行けないという不満でした。多くの人が病院を必要とし、改善を求めていることが分かりました。
2018年の人口10万人当たりの病床数を日本全国、埼玉県、さいたま市、南区で並べました。さいたま市は全国の半分しかありません。さいたま市10区の中で最も少ない南区は全国の1/5です。
2018年の人口10万人当たりの病院数と病床数を比べます。病床数は病院の病床数です。診療所の病床数は含みません。病院は入院ベッドが20床以上ある医療施設です。それ以下の施設は診療所と呼びます。
基本的に病院数が多い地域は病床数も多く、少ないところは少ないという相関があります。日本全国と比べると、埼玉県は病院数も病床数もがくんと少ないです。その埼玉県よりも、さいたま市の方が病院数も病床数も、さらに少なくなります。
特に南区は病床数が著しく少ないです。私は桜区民です。桜区民から見ると南区は色々整備されて羨ましい、さらにはズルいと感じることもありますが、人口比のデータからすると、まだまだ足りないという実情があります。
旧大宮市で見ると西区と大宮区が比較的多く、北区と見沼区が少ないと分かれます。一口に旧大宮市と言ってもかなり違いがあります。

バリューベース・ヘルスケア

医療の価値としてバリューベース・ヘルスケア(VBHC; Value-based Health Care)が注目されている(ボストンコンサルティンググループ『BCGが読む 経営の論点2018』日本経済新聞出版社、2017年)。従来の医療は安全性・コスト・効果といった医療従事者目線での評価に偏っていた。それは全快の見込めない高齢者などの患者にはコスト削減圧力ばかり働き、過少医療を招くことになる。安楽死や尊厳死の強制につながると危険視されている。現実に公立福生病院の透析終了は大きな衝撃を与えた。この問題は林田医療裁判でも訴えている。

これに対してVBHCは患者にとっての価値を重視する。患者にとっての医療行為の価値(費用対効果)の最大化を目指す。そのためには透明性の高い治療成績データを整備し、医療機関のパフォーマンスの違いを「見える化」することで、ベストプラクティスを共有できることが必要である。さらに患者にとっての医療の価値を高める方向に関係者(患者本人、医療機関、保険者、医薬品・医療機器メーカー)のインセンティブを揃えることが必要である。薬漬け医療が行われている現実を踏まえれば、これは急務である。

患者にとっての価値を重視することは消費者感覚からすれば当たり前のことである。消費者は日々の買い物で自分にとっての価値を重視して購入している。医療は生命や健康に直結するため、日々の買い物以上に消費者の権利が保障されなければならない世界である。当たり前の発想が21世紀になってようやく受け入れられるようになった。

過少医療の背景にはコスト削減圧力があり、コスト削減圧力の背景には病院経営の要請がある。このために過少医療に反対する立場は、福祉的立場から理想主義になりやすい。しかし、医療従事者が過少医療を行いたくなる背景には、コスト削減圧力に加えて全快が見込めず、自分の点数稼ぎにならないという医療従事者目線の価値基準がある。それは患者にとっては独善であり、価値観の押し付けになる。故に消費者感覚の強調が過少医療に対抗するためには重要だろう。VBHCは有用な概念である。

一方でVBHCの説く「価値」という言葉は「余命が少ない患者は価値が乏しい」として過少医療の推進力に悪用される危険がある。特に個の利益よりも全体の利益を優先しがちな集団主義的傾向のある日本では危険が高い。あくまで「患者にとっての価値」であることは強調してもし過ぎることはない。

桜区の医師数は10区ワースト

桜区の医師数86人は、さいたま市10区の中でワーストです(さいたま市統計書平成29年版)。人口千人当たりの医師数0.90人は下から3位です。最下位は南区は0.76人です。人口増加に追いついていない事情があります。2位の岩槻区は0.89人で桜区とは僅差です。
平成29年度さいたま市民意識調査でも発展の方向性として「医療機関を利用しやすい」を求める意見が4位(15.6%)にあがっており、市民感覚とも合っています。

地域 医師数 人口 千人当たりの医師数
さいたま市 2,304 1,281,414 1.80
西区 129 87,918 1.47
北区 193 146,224 1.32
大宮区 542 115,827 4.68
見沼区 179 161,766 1.11
中央区 403 99,421 4.05
桜区 86 96,049 0.90
浦和区 304 158,340 1.92
南区 140 183,273 0.76
緑区 228 120,856 1.89
岩槻区 100 111,740 0.89

医師以外の医療関係従事者も桜区がワーストなものが多いです。

薬剤師
桜区105人
岩槻区163人
さいたま市3606人

看護師
桜区379人
岩槻区433人
さいたま市8358人

准看護師
桜区124人
緑区141人
さいたま市1925人

歯科衛生士
桜区64人
岩槻区75人
さいたま市1301人

桜区は医師など医療関係従事者の数が少ないとの統計結果からは、桜区に医療関係従事者を増やそうとの結論に進みがちです。大病院を好む傾向があれば、浦和区など他区の病院に通うでしょう。その場合は公共交通機関の充実が望ましい解決策になります。
乗り合いタクシーなど新しいタイプの交通機関が求められているかもしれません。さらに遠隔診療の普及というように通院を少なくできる仕組みが解決策になるかもしれません。住民にとって究極的な目的は医師の数よりも健康です。健康サービス産業の充実など別の解決策も考えられます。

第12回さいたま市民政策勉強会「Oneさいたまの会」

第12回さいたま市民政策勉強会「Oneさいたまの会」は2018年11月28日(水)に埼玉県さいたま市南区の武蔵浦和コミュニティセンター第6集会室で開催されました。「Oneさいたまの会」では毎回参加者に名札が作られます。今回は栗、柿、芋と秋の味覚でした。第11回はハロウィンの柄の名札でした。過去にはカタツムリや向日葵の名札がありました。

今回は、さいたま市議会の常任委員会の担当範囲別にグループを分けて、議論しました。さいたま市議会には総合政策委員会、文教委員会、市民生活委員会、保健福祉委員会、まちづくり委員会、予算委員会があります。私は保健福祉のグループに入りました。保健福祉は身近な分野です。以下の意見が出ました。

・障がい者支援
自立支援を進めたい。視覚障がい者は引きこもりがち。60歳になると高齢者として、担当が変わる。

・健康
健康診断や予防を啓蒙していったらいい。医療費抑制になる。
さいたま市健康マイレージを推進する。普段外出しない高齢者が出ようという気になる。参加する仕掛け作り。一人で参加することは勇気がいる。
丸の内タニタ食堂は一般開放し、健康的な食事を提供する。
別所沼をウォーキングしている人は多い。ジムの利用者は多い。桜環境センターでエクササイズしている。場所は必要。人と接することが苦手な人も歩くことはできる。
体だけでなく、脳の健康も大切。折り紙を折る。指先を使うと良い。音楽を聴くと良い。
若い人の健康の取り組みも大切。

・医療
小さい病院は不安で、大病院にかかりたい人がいるが、紹介状を書いてもらわなければならない。手術後すぐに町医者に回されてしまう。
医療をサービスとして患者の利便性を考えた方が良い。医者に言えない患者が多い。ある病院では昔は待ち時間が長かった。今は改善されたが、一人の医師が一日に担当する患者数を減らしたことが原因であり、その結果、予約がとり憎くなった。改善しようとすると別のところでデメリットが生じる。
医師が不足しているのではないか。開業医志望ではない医師は大学に戻りたいと考えている人が多いのではないか。
さいたま市で働くことを条件とした奨学金を作る。優秀な外国人医師を育てられるのではないか。
さいたま市立大学医学部を作る。さいたま市が出資して外国に教育機関を作り、さいたまで卒業生に働いてもらう。

・介護
介護の知識がない。何かあった時にどうするか。市役所に相談と言われるが、その前に案内できないか。
病院付き添いのサービスがある。同行者は不足している。同行者がもっと増えれば社会は変わる。同行者にも相性があり、選択肢が増えると良い。
同行者の仕事が周知されれば良い。役所は相談しないと教えてくれない。家族介護者の負担が減る。外国人労働者も良い。病院が同行者サービスを用意しても良い。

・保育
病児保育を増やしたい。子どもはよく熱を出す。病児保育が普及すれば働きやすくなる。
サウスピアやパルコの一室を提供できないか。いっぱいあれば感染症の子も隔離の上、受け入れられる。
学童保育は夕方からの使用であり、勿体無い。シェアできないか。これからはシェアが大切。
大企業が託児所を作ることを義務化できないか。ヤクルトの保育園は昔からある。保育料が安い。中小企業も共同でできないか。オフィスビル一棟に一園というようにできないか。
財源は余計なものをなくすことで捻出できる。

・動物愛護
殺処分をなくす。譲渡会を推進する。在宅しているかなどの譲受人を確認して譲渡する。
避妊手術をする。経済的なことを考えずに可愛いだけで買ってしまうことは問題。生体販売の規制があっていい。
ペット引き取り屋は悲惨な商売である。人としてどうなのか。

・生活保護
生活保護受給者は増えているのではないか。ケースワーカーの抱える人数が多過ぎないか。
自立支援ができているか。勤労意欲が湧くような制度にする。
人とのつながりを作る。カウンセラーの出番。
離婚率はどうなっているか。

次回以降も、さいたま市議会の常任委員会別にグループを作って議論します。日程は以下です。
第13回、2018年12月19日(水)午後7時から9時まで、武蔵浦和コミュニティセンター第6集会室
第14回、2019年1月16日(水)午後7時から9時まで、武蔵浦和コミュニティセンター第8集会室
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