アルビン・トフラー、田中直毅『アルビン・トフラー 「生産消費者」の時代』(日本放送出版協会、2007年)は未来学者のトフラー氏と評論家の田中直毅氏の対談である。トフラー氏は情報化を農業革命、産業革命に続く第三の波と表現した。この情報化によって消費者と生産者の壁が低くなり、生産消費者という新しい個人が台頭する。

変化のスピードはアクターによって様々である。時代の先端を走る企業を時速100キロメートルとすると、家族は時速60キロメートル、官僚機構は僅か時速25キロメートルである。家族は電化製品などの変化に対応するため、意外と速い。どうしようもないものが官僚機構である。民間感覚が大切である。

一方で先進的な企業のスピードは速いとしても多くの企業、特に日本企業のスピードは遅いと言えるのではないか。昭和の業界意識に浸かっている企業よりも家族の方が速い。消費者感覚が大事である。不動産業者のマンションだまし売りを契機としてインターネット上で不動産業者への批判が高まり、炎上と報道された(「ウェブ炎上、<発言>する消費者の脅威-「モノ言う消費者」に怯える企業」週刊ダイヤモンド2007年11月17日号39頁)。そこには消費者感覚と比べて後進的な不動産業者の感覚がある。